法務

婚外子相続事件の最高裁判決は

 夫です。

 9月4日の最高裁で、画期的な判例変更が出るという見方が強まっています。

 婚外子相続事件の最高裁です。

 http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jiji-28X399/1.htm

 これは、民法で非嫡出子の相続分が嫡出子の1/2とされることが差別というもの。

 憲法14条の法の下の平等に反するという主張ですね。







 この論点については、私が勉強しているときから大きな論点でした。

 学説も分かれていたし、私たち受験生の意見も分かれていました。

 試験上は、合憲説でも違憲説でも、構成がしっかりしていればOKとされていました。

 法律婚の制度維持と、(親を選べない)非嫡出子の保護という2つのバランス。

 この対立軸まではみんな同じですが、そこからの展開が個々に分かれます。

 私は、合憲説でした。

 悩みを見せながらも、合憲説は、まだ違憲とする世論の確立はないというもの。

 きちんとした統計を持っているわけではありませんが。

 という流れからすると、違憲とする世論が確立されたということになるんでしょうか。

 日経新聞が3月にとったアンケートでは、6割近くが「違憲」と回答しました。

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0502S_V00C13A3000000/

 これは、やはり世論の流れが変わってきたということでしょうね。

 





 ちなみに、スウェーデンでは、徹底した個人主義であり、フォローする制度あり。

 婚姻しているか否か、離婚したか否かを問わず、両親共に経済的負担があります。

 そして、負担を逃れれば、国からの強制徴収もあるそうです。

 また、フランスは事実婚が多いということも広く知られています。

 それを後押しするPACSという制度があります。

 http://pacs-japon.com/about-pacs/archives/3

 日本よりも柔軟かつ先進的な制度になっていますね。

 それは国独自の文化なので間違いとは言い切れません。

 制度や法律も、その時代に合ったものに変化していく必要があります。

 そういう意味では、今、非嫡出子を巡る問題も見直しの時期に来ているのかも。







 私自身、勉強していた頃からの大論点なので、とても興味があります。

 最高裁の判断、そして判旨までしっかり読み込みたいと思います。

 

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社外取締役

 夫です。

 ようやく株主総会が終わりました。

 これで年内の大きなスケジュールは終了です。

 管理部門は、仕事のピークが10~12月になっているので、ようやく終わった感じです。









 今回の株主総会の招集通知を作っている中で、1つ勉強になったこと。

 いまさらですが、社外取締役についてです。

 「社内」取締役と「社外」取締役の違いは何か?

 それは、「社外」は損害賠償責任(会423)が軽減される余地があるということです。

 これは、責任限定契約を結んだ場合です(会427)。

 ただし、この契約があることを公にしないといけません(会911-3第25号)。

 ということは、その登記までしないと、大したメリットはないんですね。

 この登記をするか否かで分かれるのは、重要なことです。




 とはいえ、実際には、登記をしなくても「見え方」の問題があります。

 やはり「社内」取締役であれば、社内事情にも精通して判断できます。

 第三者から見てもそう思うでしょうね。

 逆に、「社外」取締役であれば、外から引っ張ってくる理由が何かしらあります。

 主には、専門的な知識または経験です。

 だから、招集通知にもその理由をきちんと書かないといけません。

 仕事の備忘録として。

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違法有害情報

 夫です。

 違法・有害情報について、動きがありました。

 これは業界では何年か前からHOTな話題です。

 違法情報というのは分かりやすくて、名誉棄損とかプライバシー侵害とか。

 問題は、有害情報です。

 これは、「違法ではないけど、子供には見せられない有害な情報」です。

 たとえば、自殺サイトとか、死体画像とか。

 違法ではないので、あまり規制すると表現の自由の問題になってしまいます。

 そのため、国はなかなか手が出せない問題(のよう)です。

 

 違法有害情報について、ネットでは随分と増えているというニュースがありました。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110428-00000347-yom-soci

 



 また、民間で違法有害情報相談センターがあります。

 ここの業務が拡大し、相談件数も増えているそうです。

 理由として、ネット上の情報氾濫や学校裏サイトなど新事案が挙げられます。

 相談してくるのは、事業者だけでなく、個人からも多くなっています。

 勝手に名前や写真を載せられたとか、悪質な書込みを削除したいとか。

 ネットは自由な世界だけど、落とし穴も多いんですね。

 相談窓口  http://www.ihaho.jp/


 あとは、サービス提供側としては、約款で禁止していることが多いです。

 団体から契約約款の条項モデルが出ています。

 http://www.telesa.or.jp/consortium/illegal_info/pdf/20110324model.pdf

 そのまま使っている会社も多いですね。

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児童ポルノのブロッキング開始

 夫です。

 少し前になりますが、4/21に児童ポルノサイトのブロッキングが始まりました。

 フィルタリングという言葉とは少し違うブロッキング。

 フィルタリングだと、見せたくないものだけ各人でピンポイントに遮断できます。

 ブロッキングだと、そのサイト全体が誰も見ることができなくなります。

 そういう意味で、ブロッキングの方が強いわけです。





 それでも、あえて大手プロバイダを中心にブロッキングに踏み切りました。

 その趣旨は、もちろん被害者となる児童の保護です。

 もっとも、「児童」の定義が大事になってくるんですが、法律上は定まっています。

 が、実際はどうなんでしょう。

 国会の法務委員会でも、ジャニーズJr.はどうなんだ?など議論されていたようです。

 確かに、見る人によって性的興奮を感じる対象は違うから難しいです。

 ※児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律

 「3  この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一  児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二  他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三  衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」





 更に、大きな問題とされているのが、オーバーブロッキングの危険

 つまり、サイトの一部にだけ児童ポルノがあっても全部ブロックするのか、という問題。

 ここには表現の自由が絡んできます。

 プロバイダがサイトの内容でブロッキングするのは通信の秘密にも関係します。

 (国がやると検閲になってしまうので、国はブロッキングしないことになっています。)

 「児童ポルノを載せていながら文句言うな。」という意見もあるかと思います。

 が、不明確な基準で規制することは、やはり良くないですねdown


 そこで、国としては、オーバーブロッキングを避けるための環境整備をするとのこと。

 つまり、ブロッキングの精度を高める実証実験をしていくようです。

 そうなれば、児童ポルノだけピンポイントで遮断できますね。





 今回のブロッキングで大変なのは、アドレスリストを作成する団体。

 これはICSAという団体がおこないますが、やはり人の判断が入ります。

 そのため、どこまでいっても難しさは残りますねsign04

 http://www.netsafety.or.jp/blocking/index.html




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アディダスに公取委が立ち入り

 夫です。

 あのアディダスに公取委が立ち入りをしたようです。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110412-00000058-mai-soci

 最初読んだとき、「ん?リーボックの話じゃない?」と思いました

 が、06年にリーボックがアディダス傘下に入っていたんですね。

 恥ずかしながら知りませんでした・・・coldsweats01

 そのリーボックの人気商品について、販売店を拘束していたという話。

 これは独禁法の違反です。






 アディダス側に立つと、気持ちが分からなくもありません。

 自分の商品の価格はコントロールしないと売り上げに響きます。

 また、どこに陳列するかでも顧客の目に触れるか変わってきます。

 商材、マーケティングのいずれからも圧力をかけたくはなります。










 が、もちろん独禁法違反なのでNGですpaper

 とはいえ、今回の立ち入りではアディダスはそれほどダメージを受けないかも。

 というのも、商品自体に欠陥があったわけではなく、顧客への影響がないから。

 もちろん、アディダスのブランドイメージへの影響はあると思いますが。






 アディダスのようなメジャーブランドになると、目を付けられやすいですね。

 ただ、アディダス商品を無断で作っているところもきっと多いはず。

 逆にそういう輩の処分(商標法違反か)もやってほしいですpout

 

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違憲判決が出るはずだった

 夫です。

  

 少し前の話になりますが、注目の最高裁判決がありました。

 平成23年3月9日最高裁判所第三小法廷決定

 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110314134519.pdf

 これは、違憲の判断が出るんじゃないかと言われていました。

 が、実際は当事者間の和解という形で終了してしまいました。






 内容は、婚外子(非嫡出子)と嫡出子とで相続分に差があるのは不公平か?

 そういう規定が法律にあります(民法900条第4号但書)。

 これが憲法の平等原則(憲法第14条)に反するかが争われていました。

 平成7年には合憲判断が出ており、今回は逆の判断になるとの予想。

 が、判断が出ないまま終了してしまいましたdown

 

 違憲論の中心は、生まれてくる子には責任はないというもの。

 合憲論の中心は、法律婚の重視と、それに対する世論の重視。

 どちらも軽視できないため、議論が分かれるところです。



 そして、法律が簡単に変わらないとしても、裁判所判断には拘束力があります。

 今回で違憲に転じるのなら、と様子見している下級裁判所も多いはず。

 影響力がある今回の判断が見送られたことは、これからどう作用するのか。

 

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君が代訴訟

 夫です。

 10日、東京高裁で君が代訴訟の判決が出ました。

 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110311ddm041040030000c.html

 学校行事で日の丸に起立して向かい、君が代斉唱を歌うというもの。

 これに従わなかった先生たちを懲戒処分とした事件です。

 1審では被告(学校)が勝ちましたが、今回の2審では原告(先生)が勝ちました。








 判決では、君が代斉唱を義務付けた通達そのものは合憲としています。

 が、だからといってそれに従わなかったために懲戒処分にするのは重すぎると。

 セクハラや体罰をした場合と同列にするのは不公平ですからね。

 ただし、懲戒処分を取り消すことで十分ということで、慰謝料は却下。





 受験時代に、この問題が教材として出されたことがありました。

 「思想の自由」が題材になることは珍しいので、とても記憶に残っています。

 何を信じるかは精神の根本なので、当人にとっては重要な問題です。

 他方、国を大事にすることや、学校全体の秩序もまた大事な問題です。

 先生が反対しておきながら生徒に強制するのもおかしなことですしね。

 その2つを天秤にかけたとき、どちらかに偏ることは難しいですよね。





 そういう意味で、今回の判決はバランスが良いと思います。

 お互いの行動原理は今後も変える必要がないということですからね。

 ただ、その判決の内容については、もうちょっと読んでみたいと思います。

 他に転用するときには、それぞれの法益の趣旨を考えておかないと。

 あとは、学校VS先生という構図には生徒が入っていないことを考慮してほしい。

 小学校、中学校、高校、大学、といったレベルごとの区別も必要かも。

 思想に関する問題は表立って話すべきでないという風潮がありますよね。

 でも、一度立ち返ってじっくり考える問題かもしれません。

 

 

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ほっともっと勝訴

 夫です。

 以前、ほっともっとに対する訴訟提起の話を書きました。

 その他にもほっかほっか亭の加盟店から訴えられていたようです。

 ほっともっと運営のプレナスから、勝訴判決についてのリリースがありました。

 http://www.plenus.co.jp/new/index.php?action=pdf&id=291


 これは、ほっかほっか亭の鹿児島本部から訴えられたもの。

 約4億円という損害賠償請求ですdollar

 訴えたのは、鹿児島食品フーズという会社です。

 http://www.hokkago.jp/corporate/

 鹿児島でほっかほっか亭をずっとやってきていて、80店舗達成している会社。

 そりゃ地域本部になりますね。








 でも、この4億円ってどう算出したかは分からないですね。

 ほっともっとが競合になったから顧客を失ったという機会ロスは算定が難しいです。

 損害賠償の問題はホントに難しく、法務としても悩む問題です。

 契約書の交渉でも、いつも交渉ポイントに上がる部分です。

 今、BLJで損害賠償について特集されていたので、思わず買いました。

 悩みの部分はよく載っていますが、やはり明快な回答はなし。

 そこは予想はしていたものの、もうちょっと踏み込んでほしいかも。

 学説も百花繚乱の様相を呈しているポイントですよね。shock




 

 

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レナウンが8回目

 夫です。

 アパレルのレナウンが、消費者庁から景品表示法違反で改善措置を受けました。

 「形態安定」というタグやシールがついていたシャツは、実は事実と違うもの。

 2009年12月から今回まで計8回の注意を受けているそうです。

 http://www.renown.com/news/important/004817.html

 というか、さすがに多すぎでしょ(笑)。

 中国資本の傘下に入ったのが昨年。

 そういうところは、特に気を使わないグループなんでしょうか。

 それにしても呆れたもんですね。


 ここまでくると「誤表示」ではなくて、「虚偽表示」ですね。

 厳しい処分があっても良いと思います。

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クラウドとリスクマネジメント

夫です。

今日は、無料セミナー@霞ヶ関に行ってきました。

お題は、「クラウドとリスクマネジメント」。今ホットな話題で、新聞記事でも「クラウド」という言葉が目立ってきました。

しかも、対象が法務、経営企画、ISMSとはドンピシャです。かなり楽しみにしていました。

なのに、なのに、プレゼンが下手すぎました。残念。弁護士もいたのに、どうやら喋りが下手な弁護士もいるようです。早口なのに噛むってどういうことだ!?PPTの展開も早すぎて、ページをめくってばかりいます…。

面白かったのは、twitterと同時進行だったこと。ハッシュタグを使って関連ツイート読みながら聞くのは忙しいけど、多くの情報がとれて面白かったです。どうせならtwitterの画面を出して欲しかった。

資料は充実した記載内容だったので、講演は無料で資料は2000円というのはそういうことか、と妙に納得(笑)。

twitterで盛り上がっていたのは、CSP(cloud service provider)への捜索差押がなされるときの対象が、データだけでなく、機材ごと持っていかれること。no knock warrantです(いわゆるパトリオット法)。こんなことされちゃベンダコントロールとかデータ保全なんて問題外になってしまいます。著名判決が出ているので(core IP networks事件)、後でチェックしようと思います。

講演でも言っていましたが、「怖いのはリスクが分からないこと」。これには、未知のリスクと、単なる不知のリスクがあると考えます。企業にとっては、せめて後者はなくしたいもの。というわけで、私もガッツリ勉強します。

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